日本福音キリスト教会連合

あなたらしい生き方(Welcome礼拝)

 
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2022年4月から「上水めぐみキリスト教会」の牧師。 サイクリングやジョギングが趣味。

「あなたらしい生き方」

創世記1章26-27節

1. ありのままの私?

しばらく前に、「ありのままで」という歌が流行りました。「ありのままに」という言葉には、不思議な魅力が感じられるのではないでしょうか。「あなたは、ありのままでいい」そう言われると、安心します。

でも「ありのまま」であるとは、どういうことでしょう? あなたの「ありのまま」とはどういう状態ですか? あまり考えすぎずに、本能のおもむくままに生きることですか? それが幸せということなのでしょうか。

 実は私たちは「ありのまま」であることが、あまりよくわかっていません。せいぜい、「これまで我慢してきた何かを投げ出すこと」とか「周りに合わせるのはやめること」くらいの意味で捉えています。しかし「ありのままに生きる」とは、そういう一時の選択のことでもなければ、無責任な意味での「自由な」生き方を勧めているわけでもないはずです。「ありのまま」というのは、「あなたが、最もあなたらしくなる」ための条件がわかって、初めて実践できることではないでしょうか

 聖書はこの問いに対して、一つの考えるヒントを与えています。それが「神は人をご自身のかたちとして創造された」ということです。

 神は、人間を「神のかたち」として造られた。私にも、皆さんにも「神のかたち」が備わっていると言っているのです。これが本当の意味で「ありのままに生きる」ことの鍵だと聖書は言います。

2. 神のかたちとは?

 では私たちが「神のかたち」であるとは、どういうことなのでしょう。神に似せて造られたとはどういうことなのか。

それは私たちと神様の姿形が似ているということではありません。神様は無限のお方なので、霊なるお方ですから目に見えないお方です(ヨハネ4:24)。神様は髭を生やしたおじいさんではありません。

ならばどのような点で神様と似ているのでしょう。どのあたりが「神のかたち」なのか。

 

 それは、人間には人格があるということす。一人一人に人格があって、互いにコミュニケーションをとったり、尊重しあう存在だということ。考え、想像力やクリエイティビティをもって何かを生み出したりするということです。まさに、神ご自身がそうであるように、です。

 「人格」というのはちょっとちょっと難しい表現ですが、こういうことです。私たちはみんな、それぞれの人柄、個性、独立した人間性を持っています。得意不得意や好みがあってみんな違う存在ですよね。ここまでなら、もしかすると動物にも言えるかもしれませんが、私たちに人格があるとはそれ以上のことです。人間だけは、単なる動物的な本能だけで生きているわけではありません。理性があって、一人ひとりが考える存在です。良い悪いの判断をする道徳心をもっていて、感情もあります。そして他の人(他の人格)とコミュニケーションをとることができます。こうして家族があったり、社会ができていくのです。技術が進歩したり、芸術も生まれてきました。

 これは単なる生物の進化の偶然ではありません。神に似せて、私たちが造られたからです。

 創造主である神は、私たちに「神のかたち」を与えられました。それはいわば、私たちに神様印のハンコを押されたようなものです。神が私たち一人一人に「わたしがあなたを造った。だからあなたには無限の価値がある」と証明してくれているようなものです。ですから、この「神のかたち」を持った者として生きることが、本来の「私らしいあり方」なのだと聖書は言うわけです。

3. 罪によって歪んだ私たち

 ところが、現実には多くの人が「人とは何者なのか?」ということに明確な答えを持っていません。

 それは私たち人間は、その神を忘れてしまったからです。いえ、捨て去ったと言った方がよいかもしれません。それを「罪」と言います。人類は神を捨て、神のもとを離れ、神を無視するようになりました。その結果、「神のかたち」であることも忘れ、わからなくなってしまったのです。そして「ありのまま」であることがどういうことかもわからなくなった。自由を求めようとしても、かえって雁字搦めになってしまうのです。自分の価値や、生きる意味も見失ってしまう。互いに尊重し合うよりも、自分が得をすることだけを考えてしまう。そうして私たちを輝かせるはずの「人格」が、かえって傷つけあうために使われてしまう。それが罪の結果です。

 それは、本来のありのままである私たち、つまり「神のかたち」であることを忘れてしまったからです。かけがえのない「神のかたち」であることを忘れてしまったので、自分が何者であるか、何のために生きるのかがわからなくなってしまったのです。

4. 本当の意味での「あなたらしい」生き方

 聖書の示す神は無機質なお方ではありません。テキトーに私たちを造ったのでもなければ、偶然私たちができてしまったのでもない。

 神は、ご自身のかたちとして、あなたを造られたのです。あなたを愛をもって造られ、あなたの人生に意味と目的を持って造られたお方。神があなたの存在に、あなたの人生には意味がある、価値があるとしてくださっているのです。そうであれば、その神を知ることが、「自分らしい自分」を発見するための一番の道ではないでしょうか。

 神は、あなたがご自身のもとに帰ってくることをいつでも待っておられます。聖書では神が、愛する我が子の帰りをまっている父親のようだと表現しています。帰ってきたならば、大歓迎で受け止め、ごちそうを用意し、喜んでくださると。

 これまでどんな人生を送ってきたかは関係ありません。今、何歳であっても関係ありません。神はいつでも待っておられる。あなたが、本当の意味であなたらしく輝くことができるように願っておられます。

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