流れのほとり NO.23
<ケンミンショー、観たことありますか?>
私の好きなテレビ番組に「ケンミンショー」があります。いつもこの番組を見て笑い転げています。何が面白いか、と言うと、小さな日本の中にこんなに違った美味しい料理があり、その地方の人々に愛される食べ物があるのか、ということに感心しています。皆に好まれている食べ物だけではなく、よくその地方の方言を紹介します。これがまた面白く、腹を抱えて笑ってしまいます。ということは、日本のそれぞれの地方に豊かな文化がある、ということでしょう。方言が全然わからずに笑いますが、その方言に付随した歴史と文化があるのでしょう。
<東京っ子は情けない?>
私のように小さい時から東京で育った者はその面で欠けていることが多く、地方の豊かな文化の中で育ってきた人を羨ましく思います。言葉で言えば、東京弁、ある人は標準語と言いますが、それしか喋れません。ですから札幌に住んだ時は、一所懸命北海道弁を喋ろうと努力しましたが、そんなに簡単に身に付くものではありません。妻が大阪出身ですので、結婚してから関西弁を喋りたいと思い、真似をしましたら、「気色悪いからやめてほしい」と言われ、関西弁も喋れません。
<タイ語にもいろいろある>
一つ変な誇り(?)に思っていることは、私はシンガポールで英語を喋れるようになりましたので、私の英語はシンガポール風のアクセントで話す英語です。英語圏の人々と話しても通ずるのですが、聞く方はちょっと変な発音に耳をそばだてます。
タイ国は日本の1.4倍の広さがあります。その上、北部には所謂少数民族の人々が多くいます。昔は別の国だった北部タイ人もいます。東北部は昔はラオスが支配していましたから、ラオ人系の人が多く住んでいます。マレー半島に続く南部にはマレー人やビルマ人等がいます。タイ人が多いのはタイの中央平野部です。その上、都市部には華僑と呼ばれる中国南部から移住してきた中国人たちも多くいます。このように多くの民族が混じり合って一つの国を形成していますから、様々な文化があり、同じタイ語でもずいぶん違いがあります。ところが私は宣教師として働くために所謂タイ語の標準語を首都バンコクで習いました。これは便利な言葉で、タイ国中で通じます。
<ハート・ランゲージ>
しかし、日本でも同じですが、心に通ずる言葉、ハート・ランゲージは彼らの方言です。地方に出かけて行ってキリスト教の伝道活動をした時に彼らの心に沁み込むような方言による表現ができない限界を感じました。ところが同僚のイギリス人の宣教師は田舎でタイ語を習い、使っていますから、彼らのハート・ランゲージを話せるのです。人々は白人がタイ語を上手に話すことにびっくりし、その上、自分たちの地方のことばでイエス・キリストのことを分かりやすく話すので喜んで聞き入りました。
<イエスはあなたの心に語りかけます>
聖書を読むと、イエス・キリストは、あらゆる階層の人々に話しています。祭司長や律法学者という地位も教養も高い人々にも神の国について話しました。一方、人々に蔑まれている社会の底辺にいる人々、教育を受けていない人々にも話しました。その当時のユダヤ人たちは外国人や女性を蔑み、見下して差別していました。しかし、イエスは差別することなくすべての人々と接し、神の国の福音について語り、教えました。「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためです。」(マルコ2:17)と言われ、人々の「聞く力に応じてみことばを話された」(マルコ4:33)のです。
イエスがあなたにあなたのハート・ランゲージで語ってくださったらどんな言葉使い、どんなトーンになった、と思いますか?あなたのハート・ランゲージに変換して聖書を読んでみませんか?