日本福音キリスト教会連合

クリスマスの喜び

 
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2022年4月から「上水めぐみキリスト教会」の牧師。 サイクリングやジョギングが趣味。

マタイの福音書2:1~12聖書本文はこちら

クリスマスは私たちの救い主イエス・キリストの誕生を喜び、お祝いする日です。野宿して羊の番をしていた羊飼いたちも天使の御告げを受けて、ベツレヘムに行き、家畜小屋の飼い葉桶に寝かされていたイエス様を見て大喜びしました。敬虔な高齢の男性シメオンも84歳の高齢女性のアンナもエルサレムの神殿でイエス様に会い、喜びました。東の方からやってきた博士たちも、幼子のイエス様を見て大喜びしました。(10)

東の方とは、多分現在のイラクの辺りだろうと思われています。博士たちはそこで不思議に輝く星を見て星影を頼りにエルサレムまでやってきました。いくらラクダに乗ってやってくるといってもそんなに楽だ、楽だ、と言える旅ではありませんでした。何しろ砂漠のような荒野を約2年間も旅をしてきたのですから。

1.東方の博士たちとヘロデ王

博士たちはこの不思議な星が示しているのは、「ユダヤ人の王様が産まれた、と言うしるしの星だ」と確信していました。そのユダヤ人の王様は首都のエルサレムにいらっしゃるに違いない、と考え、博士たちはエルサレムの王宮にやってきました。 そしてヘロデ王様に尋ねたのです。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか?」と。

この質問に王宮は蜂の巣を突っついたように大騒ぎになりました。それはそうです。何しろヘロデ王様が君臨されているのに、次に王様になる人が産まれた、というのですから。エルサレム中の市民も大騒ぎです。

「おい、聞いたか。ヘロデ王を倒し、殺して王様になる人が出現したそうだ。大変だ、また戦争が起こるぞ。」

心中穏やかではないヘロデ王様は、あらゆる情報を集めました。王様はすぐに、偉い宗教家である、祭司長たちを呼びました。様々な書物に詳しい知識を持っている法律学者である、律法学者も呼びました。ユダヤ中の頭の良い人、知識の深い人たちを集めたのです。

「東の方から博士たちがやって来て、ユダヤ人の王様になる人が産まれた、と言うのだが、そのような私の後に王様になる人が産まれるとしたら、どこで産まれるのか調べろ!」と命令したのです。

さすがは学者たちです。しばらくすると学者たちはヘロデ王にレポートしました。

「王様、分かりました。旧約聖書に記されていることによりますと、ユダ県のベツレヘム村です。旧約聖書のミカ書に預言者ミカが預言したことばにこうあります。

『ユダ県ベツレヘム村よ、あなたはユダ県の中では小さな村だと思われているが、人口や面積ではそうだが、それで決して小さい価値のない村と言うことではない。ベツレヘム村からは将来一人の人が出て、その人は神様を信じる者たちを治める人が出てくる。』

この「神様を信じる者たちを治める者」と言うのが「ユダヤ人の王様」ということでしょう。ですからユダヤ人の王様はベツレヘムから出ます。」と答えたのです。

そこで早速、ヘロデ王は博士たちを呼んで、

「分かったぞ!ベツレヘムだ。ところで、あなたがたは、どのようにしてその星を見つけ、また、どうしてその星が「ユダヤ人の王様の誕生を示していると分かったのかね」と質問しました。その上、「いいか、あなたがたはベツレヘムに行ってその『ユダヤ人の王様』として産まれた赤ちゃんにあったら、その子はどこにいて、どんな顔をしていて、両親は誰かなど、詳しい情報を調べて、私に報告してくれ、私も後で言ってその子を拝みたいと思っているから。」

博士たちはすぐに旅立ち、ベツレヘムに向かいました。すると、奇蹟が起こりました。東の方で見たあの不思議な星がまた見えたのです。その星に誘導されて博士たちはベツレヘムに行き、「ユダヤ人の王様」として産まれた幼子がいる所まできたのです。

博士たちは初めに不思議な星を見てから、ここに来るまでに約2年かかったことでしょう。ですからもう生まれたばかりの赤ちゃんではありません。2歳ぐらいの幼子になっていました。

余談ですが、クリスマスカードに博士たちが家畜小屋で赤ちゃんのイエス様を拝んでいる絵が描かれているのがありますが、あれは間違いです。ヨセフとマリアは2年も家畜小屋で生活していたわけではありません。

2.博士たちが「クリスマスの喜び」を得た秘訣

10節にありますように、博士たちは「その星を見てこの上もなく喜んだ。」のです。これがクリスマスの喜びです。

ここで博士たちが「クリスマスの喜び」を得た秘訣を見てみましょう。

  • 博士たちは星の光を見ました。
  • その星の光は他の星の光とは違って不思議に輝いていました。彼らは「ユダヤ人の王」が出現したことを示す、と信じました。
  • その時に博士たちは2年近くかかるという長い旅の苦労を覚悟でその星の光を頼りに進み、行動しました。
  • 博士たちは、エルサレムで他の人、学者たちに質問しました。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおられますか?」と。
  • 彼らは聖書のことばを信じてベツレヘムに行き、そこでイエスに出会い、クリスマスをお祝いすることができました。

3.私たちが「クリスマスの喜び」を得るために。

それには、まず

  • 星の光を見ることです。ヨハネの福音書1:4に「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。」とあります。この方、イエス様にはいのちがあり、私たち人間を照らすひかりです。イエスという星の光を見ることです。
  • この世の中には多くの宗教があり、私たち人間に光を与えると言い、教えます。しかし、聖書の教える救い主、イエス・キリストの光は他の光とは全く違う不思議な光です。どういう点が他の光と違うのでしょうか?博士たちはユダヤ人ではありません。異邦人、外国人です。異邦人である博士たちが捜し求めているのがユダヤ人の王様です。これはマタイの福音書の初めに「アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」とありますように、イエス・キリストが「アブラハムの子孫」であることを示しています。アブラハムに神様が約束された七つの祝福を「すべての人」にもたらす方、ユダヤ人も異邦人も含めてすべての人、全世界中の人の王様、すべての人を治めるお方を示す星の光、不思議な光を私たちも求めていくことです。
  • 博士たちはその不思議な星を見つけた時に、行動を起こしました。長旅になることを覚悟の上で旅立ちました。私たちも同じです。クリスマスにお生まれになったイエス・キリストの光を求めて行く時に、行動を起こすことです。光について書いている聖書を開くことです。聖書を読んで行くと、私たちは真の神様が私たちを愛しておられることが分かります。それなのに私たちはその愛なる神様のことを知らずに自分中心に考え、自己中心に行動していることに気がつかされます。聖書はクリスマスにお生まれになったイエス様の生涯がどんなものであったか、イエス様の教えがどんな教えであったかを描いています。星の光を求めて教会に行くことです。教会に行ってみると、クリスチャンたちに会います。クリスチャンたちの生き様を見ます。クリスチャンたちの中に輝く光を見ることができます。礼拝に出席して聖書のメッセージを聞き、メッセージの中に不思議な光を見ます。その光を求めて行動を起こすのです。その行動の一つはお祈りをすることです。「神様、私の心にあなたの光を当ててください。私にあなたの光をください。私をあなたの光の子供としてください。」と祈るのです。また、教会でクリスチャンの人たちと話し、交わることです。すると、神様が一人一人に違った方法で光を与え、光を見させて下さるということが分かります。聖書のことばに、「みことばを行う人になりなさい。自分を欺いて、ただ聞くだけの者となってはいけません。」(ヤコブ1:22)と、あります。聖書を読んで知識を増やすだけではなく、教えられたことを生活の中で実行することです。博士たちが長旅をしたように、星の光に従って生きて行く人生には忍耐が必要である時もあります。努力が必要な時もあります。しかし、止めないで星の光に従って進んで行くのです。
  • 博士たちはエルサレムで質問をしました。私たちも同じです。聖書を読み、教会に来て、聖書を学び質問をするのです。聖書を他の人と一緒に学ぶのです。そして光に従って行くのです。
  • このように聖書の約束のことばを信じて博士たちはイエス・キリストに会うことができたのです。私たちも同じです。私たちは肉体の目でイエス・キリストを見たことはありません。しかし、私たちがイエス様の約束のことばを信じ受け入れることによってイエス・キリストにお会いすることができるのです。イエス様はイエス様のよみがえりを信じないで疑った弟子のトマスに言いました。「信じない者ではなく、信じる者になりなさい」と。(ヨハネ20:27)また、ある時大地震が起こって、牢獄の囚人が全員逃げてしまったと思い、自殺しようとした刑務所の看守に使徒パウロは自殺をしてはいけない、と止めました。その時、その人は「先生方、私は救われるために何をしなければなりませんか、と尋ねました。パウロとシラスは看守に言いました。「主イエスを信じなさい。そうすればあなたもあなたの家族も救われます。」そうです。主イエス・キリストの約束のことばを信じることによって私たちは神様に対して犯した罪から救われるのです。
  • 博士たちは、ベツレヘムの家に入り、「母マリアとともにいる幼子を見、ひれ伏して礼拝した。そして宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた」(11)のです。私たちも同じです。イエス様の光を求め、約束のことばを信じて、イエス様に出会ったならば、主イエス・キリストを拝み、礼拝するのです。そして私たちの宝物、私たちの人生すべてをイエス様にささげて礼拝するのです。黄金はイエス様が王様であることを示している贈り物です。「イエス様、あなたは私の王様です。」と黄金のささげ物をします。乳香は祭司が祭壇で燃やす匂いの良い香です。乳香はイエス様が私たちを神様の下に連れて行き、神様と交わることができるようにしてくださる方であることを表しています。「イエス様、あなたは私の祭司、私を神様の身許に連れて行って下さるお方です。」と乳香をささげます。没薬は死体に塗るものです。死を表しています。イエス様は私たちの罪を赦すために身代わりになって十字架に架かり死んでくださいました。その死によって、死からのよみがえりによって私たちの罪は赦され、神の子とされました。
  • 博士たちは星の光を求めてやって来て、イエス様に出会った時に大喜びしました。喜びに満ち溢れました。私たちも同じです。私たちも主イエス・キリストを礼拝します。イエス様を王様として、祭司として、死に打ち勝ってよみがえられ、今も生きておられる救い主として礼拝します。
  • 今年のクリスマス、あなたもイエス様に会い、喜びに満たされ、あなたの人生をささげましょう。イエス様の前にひれ伏し、礼拝をささげましょう。イエス様を自分の王様として、祭司として受け入れ、よみがえりのいのちを頂いてクリスマスの喜びをもって新しい年に向かいましょう。お祈りしましょう。

[マタイの福音書 2:1~12]

イエスがヘロデ王の時代に、ユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、見よ、東の方から博士たちがエルサレムにやって来て、こう言った。
「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちはその方の星が昇るのを見たので、礼拝するために来ました。」
これを聞いてヘロデ王は動揺した。エルサレム中の人々も王と同じであった。
王は民の祭司長たち、律法学者たちをみな集め、キリストはどこで生まれるのかと問いただした。
彼らは王に言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者によってこう書かれています。
『ユダの地、ベツレヘムよ、
あなたはユダを治める者たちの中で
決して一番小さくはない。
あなたから治める者が出て、
わたしの民イスラエルを牧するからである。』」
そこでヘロデは博士たちをひそかに呼んで、彼らから、星が現れた時期について詳しく聞いた。
そして、「行って幼子について詳しく調べ、見つけたら知らせてもらいたい。私も行って拝むから」と言って、彼らをベツレヘムに送り出した。
博士たちは、王の言ったことを聞いて出て行った。すると見よ。かつて昇るのを見たあの星が、彼らの先に立って進み、ついに幼子のいるところまで来て、その上にとどまった。
その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。
それから家に入り、母マリアとともにいる幼子を見、ひれ伏して礼拝した。そして宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
彼らは夢で、ヘロデのところへ戻らないようにと警告されたので、別の道から自分の国に帰って行った。

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会 

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