聖霊の働きと励まし
使徒の働き6章7~15節
ところが、リベルテンと呼ばれる会堂に属する人々、クレネ人、
そこで、彼らはある人たちをそそのかして、「私たちは、
また、民衆と長老たちと律法学者たちを扇動し、
そして偽りの証人たちを立てて言わせた。「この人は、
『あのナザレ人イエスは、この聖なる所を壊し、
聖書 新改訳2017
クリスチャン生活で欠かせない大切なことは、聖霊なる神様の働きを体験して生きることと、聖書の教えをきちんと頭で理解してその教えに基づいて生きることです。キリスト教の知識は沢山あって、いろいろとクリスチャンのように話し、説明できるけれども、聖霊によって新しく生まれていないので「新しいいのち」がないクリスチャンもどきの人がいます。逆に、キリスト教的な活動に熱心で教会でも、キリスト教団体でも活発に活動しているが、聖書の教えを知らない人、聖書の教えに従わない人もいます。
この聖霊の働きと聖書の正しい知識の二つのどちらかが欠けていると、バランスを欠いたクリスチャン、又は本物のクリスチャンではなく、クリスチャンのような人になってしまいます。
神様は教会を祝福し、成長させてくださいます。しかし、サタンはいつも教会やクリスチャンたちの働きを邪魔し、私たちを神様から引き離そうと働きかけてきます。ですから私たちはいつも気を付けて、霊的に目を覚ましていなければなりません。そのサタンの攻撃は教会の外側から、クリスチャンではない人たちから来ることもあり、教会の内側から来ることもあります。先回、6章のはじめの所からお話したことは、教会の内側から不平不満が起こり、教会が分裂しそうになる形でサタンは教会を攻撃してきました。それに対して、使徒たちは、神様の導きによって七人の「御霊と知恵に満ちた、評判の良い人たちを」選び、教会内に起こった不公平の問題を解決するようにしました。その結果、教会は成長し、強められました。7節を見てください。
使徒の働きは、2章に書かれているペンテコステで誕生した教会が成長していった様子をまとめる6つのことばで区分して書かれています。
7節は第一番目のまとめです。2番目のことばは、今年の教会の目標聖句9:31です。
3番目は、12:24、4番目は、16:5、5番目は、19:20、6番目は、使徒の働きの最後の節、締めくくりのことばである28:30~31です。
聖書では7という数字は完全数、完結を表す数字という意味があります。しかし、使徒の働きは6番目のまとめのことばで終わっています。
なぜでしょうか?
7番目のまとめのことばはどこに行ってしまったのでしょうか?
それは使徒の働きがここで終わっていない、ということを示しています。
この後に続いて使徒たちに続くクリスチャンたち、更に、現在の私たちの教会、私たちを通して神の教会は成長し続けて行くことを示しているのです。
7番目のまとめのことばは、「このようにして上水めぐみキリスト教会を通して神のことばはますます広まって行き、立川市、いや多摩地区の大勢の人、日本全国で多くの人々が次々と信仰に入った」となるでしょう。それは主イエス・キリストが再び来られる時でもあります。
今回、サタンは教会の外側から攻撃してきました。教会内の問題を解決するために神様によって立てられた、「御霊と知恵に満ちた評判の良い人たち」の中で一番先に名前が挙げられているステパノに対して攻撃してきたのです。ステパノは「御霊と知恵」に満ちていたと言われていますが、8節では「恵みと力に満ち」ている人と書かれています。更に、10節によると、彼は「知恵と御霊」によって語った人でした。
さて、サタンはどのようにしてステパノを、そして教会を攻撃してきたでしょうか?
神様はステパノを用いて
9節を見てください。ステパノはユダヤ教の会堂で主イエス・キリストの十字架とよみがえりを宣べ伝えました。すると「リベルテンと呼ばれる会堂に属する人々」やクレネ人、アレクサンドリア人、これらの人は北アフリカからエルサレムにやってきたユダヤ人です。キルキアやそのほかのアジアから来た人々がステパノに議論を吹っ掛けてきたのです。この「リベルテン」という名前は脚注にありますように、ローマ帝国によって奴隷とされたユダヤ人たちで、すでに解放され、自由になった人たちの子孫のグループのことです。
現在でも同じようなことが起こります。私たちがクリスチャンになると、他の宗教の人や私たちの家族や親族、親しい友人などから「キリスト教なんてやめなさい」とか、「日本人なんだから先祖からの宗教に従いなさい」とか反対されることがあります。また、神様を信じない人たちからは「神様なんかいるのか?」とか「イエス・キリストの処女降誕なんて、非科学的だ」と議論を吹きかけてくる人に出会います。
しかし、ステパノはそれらの議論に勝ったのです。どうしてでしょうか?彼は「知恵と御霊に」よって語ったのです。これは私たちへの模範です。私たちがクリスチャンではない人々に福音を伝えるときも、彼らの質問に答え、議論やディスカッションをする時、大切なことは、ステパノのように「知恵と御霊によって」話すことです。イエス様は弟子たちにこのように約束して下さいました。ルカ12:11~12を開いてみてください。
私たちが他の人から質問されたり、議論を持ちかけられたりしたら、まず、心の中でお祈りすることです。「聖霊なる神様、私に言うべき言葉を教えてください。知恵を与えてください。その人を理解し、愛する愛を与えてください。優しい心を与えてください。」と祈るのです。すると聖霊なる神様は、私たちに語るべきことばを与えてくださいます。冷静な心とその議論してきた人が救われるように願う愛が与えられます。もし私たちが祈らずに、自分の力に頼って、負けてたまるか、と議論すると、感情的になり、冷静さを失い、キリストの愛を失ってしまいます。ステパノは聖霊と聖霊による知恵によって答えたのです。
するとどうでしょう。ステパノに対抗できなかったユダヤ人たちはサタンに使われて別の面で攻撃してきたのです。それは「嘘」と「群集心理を用いた扇動」という方法です。サタンはうそつきです。ですからクリスチャンを攻撃する手段としていつも嘘を用います。教会内に嘘やウソに基づく噂を広めて教会を攻撃し、破壊しようとします。気をつけなければいけません。ステパノとの議論に太刀打ちできなかった人々は、11節にあるように、「ある人たちをそそのかし」自分たちに有利になるように嘘を「言わせた」のです。「私たちは、ステパノがモーセと神を冒涜することばを語るのを聞いた」という嘘を噂として広めさせたのです。
次の手は、「扇動」(12)です。あいつは悪い、あいつはひどい奴だ、と広め、人々の感情を煽るのです。そうすると、人々は感情的になり冷静に考えられなくなり、間違った判断に従ってしまうのです。これが扇動です。社会の中で「あの人が悪い」と噂を広め、人々を感情的にそのように思わせることはしばしばおこります。学校内の「いじめ」もそうですし、会社内でのいじめも同じでしょう。このようなことをサタンは教会内でも起こさせるのです。
実はイエス様が十字架に付けられた時も同じでした。誰もイエス様に罪を見出せませんでした。しかし、パリサイ人や長老たち、祭司長たちは、群衆を扇動しました。そしてピラトも何の罪も見いだせなかったのに、扇動され、感情的になって、正しい判断が出来なくなった群衆は、「十字架に付けろ!十字架に付けろ!」と叫んだのです。
ステパノに対しては何と言ったのでしょうか?
と人々に言わせたのです。
とも言わせたのです。ステパノが言いもしないことで訴えたのです。
- モーセと神を冒涜した。
- 聖なる所と律法に逆らうことばを語るのを止めなかった。
- 聖なる所を壊し、モーセが私たちに伝えた慣習を変える、と言っている。
根拠もなく彼らの攻撃は次のように発展しました。
- 最初は聖書の話しから
- 個人的な中傷に発展していき、
- 彼らは暴力を持って神殿を壊し、先祖からの習慣を破壊しようとしている、と発展させて行きました。
私たちもこのような反対に直面することがありますから注意しなければなりません。初めは純粋にキリスト教についての質問であり議論だったのですが、議論をしていくうちに、いつの間にか他の宗教を非難しているとか、軽蔑したとか嘘をつかれ、広められたりします。更に、日本人の習慣を壊そうとしている、先祖を敬わないことを教えている、というように発展させて攻撃し、ある時は暴力を振るってくることもあります。戦争中に、天皇を拝まないクリスチャンたち、皇居遥拝をしない教会は暴力を持って迫害されたという実例があります。
それに対してステパノはどうしたでしょうか?
15節に
私たちもステパノのように、たとえどんなにひどい非難や誹謗を受けても、暴力を振るわれたとしても「イエスから目を離さずにいて」聖霊によって励まされ前進し続けていこうではありませんか。お祈りしましょう。
※文中引用聖句
[使徒の働き 9:31]
「こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、
[使徒の働き 12:24]
「神のことばはますます盛んになり、広まっていった。」 戻る
[使徒の働き 16:5]
「こうして諸教会は信仰を強められ、人数も日ごとに増えていった。」 戻る
[使徒の働き 19:20]
「こうして、主のことばは力強く広まり、勢いを得ていった。」 戻る
[使徒の働き 28:30,31]
「 パウロは、まる二年間、自費で借りた家に住み、