流れのほとり NO.21
さわやかな季節になりました。皐月(さつき)晴れの日が続き、気温も上がり、気持ちの良い初夏の気候になりました。1年で一番良い季節かもしれません。
<タイの季節>
私たちが東南アジアのタイで暮らしていた時は、5月は新学期の始まる時でした。2月から続いた長い夏休みが終わり、5月末から新学年、新学期です。
これはタイの気候によってこうなったのです。
タイは、四季ではなく三季です。ホット・シーズン、ホッタ―・シーズン、そしてホッテスト・シーズンの三つです。ホッテスト・シーズンが2月から5月まで、6月から10月まではホッタ―・シーズン(タイ人は雨季と呼ぶ)、11月から陰暦の新年、いわゆる旧正月と私たちが呼ぶ日までがホット・シーズン(タイ人は冬と呼ぶ)です。
陰暦の新年を終えると、日に日に暑さが厳しくなり、一番暑いのは4月です。その暑さの頂点、4月13日がタイのお正月、ソンクラーン(水かけ祭)です。
この頃は毎日、日中は40度を越えます。夜も30度以上あります。今はエアコンが普及しましたから随分楽になりましたが、私が住んでいた40年以上前は、田舎はもちろん、首都バンコクでも自宅にエアコンを付けている人は稀でした。昼間は風が通る日陰にいて過ごせば何とかなりますが、辛いのは夜です。海抜0メートルのバンコクは湿度が高く、人口も密集していますから蒸し暑さは、日本の蒸し暑さなんぞ比べものになりません。
そこで寝る前に水浴びをして身体を冷やします。タイや東南アジアの人の水浴びは、小さめの洗面器位の手桶で大きな土製の瓶にためてある水を汲んで、ジャージャーと何回もかぶって身体を冷やします。シャワーでは水の量が少ないので効果がありません。土製の瓶に水をためておくと不思議に水が冷えます。その冷えた水を惜しみなくザーザーと掛けて身体を冷やすのです。3時間位寝ると汗びっしょり、起きてまた水浴びをして再び眠ります。
ホッテスト・シーズンは雨が降らない乾期です。5月の半ばになると恵みの雨が降り、一気に気温が下がり(と言っても毎日35度近くですが)、木々が芽を吹きます。長い夏休みが終わり、新学期が始まる訳です。
<すべてのことに時がある>
旧約聖書の伝道者の書のことばを思い出します。
日本人は四季になぞらえて、自分は人生の秋に入った、とか言います。私たちは神の時に「生まれ」て来、そして神の時に「死ぬ」と伝道者は言います。私たちは意識していなかったし、「見極めることもできません」が、その「神の時」に「神がなさることは時にかなって美しい」のです。子供の時に体験したことも、青年の時に味わったことも、老年になって感じ、経験していることも「時にかなって美しい」というのです。その上、神は私たち「人の心に永遠」を与えてくださいました。
<「永遠」って何でしょうか?>
時に縛られない「神」であり、物質の世界に属さない「霊なる神」のことでしょう。すべての人の心の中に永遠なる神、霊なる神を思う心を与えて下さったのです。そして神の御子イエス・キリストを信じる信仰によって私たちすべての人に「永遠のいのち」を与えてくださるのです。