日本福音キリスト教会連合

聖霊によるペテロの働き

 
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2022年4月から「上水めぐみキリスト教会」の牧師。 サイクリングやジョギングが趣味。

使徒の働き9章32~43節(聖書本文はこちら

使徒の働きは、その名前の通り使徒たちの働きについて書いたレポートみたいな本です。主イエス・キリストが死から三日目によみがえり、40日後昇天した後はペテロが使徒たちの代表のようにその働きをリードし、神様に用いられました。

1.使徒たちの活躍により各地に教会が築き上げられていった。

6章には使徒はクリスチャンたちの間で起こった問題解決のために「御霊と知恵に満ちた評判の良い人たち七人を選」びました。その中のステパノの働きが7章に記され、同じリーダーとして選ばれたピリポを通しての働きが8章に書かれていました。

9章は新たに使徒として加えられたサウロのことが書かれ、今日の箇所から再びペテロを通しての神様の働きが記されています。

「サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の御名によって大胆に語った」(9:28)とあります。サウロだけではなく、他の使徒たちも福音を大胆に語った事が伺えます。9章32節を見てください。使徒「ペテロはあらゆるところを巡回していた」とあります。信仰と聖霊に満ちた人ピリポ(6:5)は、「サマリアに下って行き、人々にキリストを宣べ伝え」(8:5)ました。このようにして9章31節にありますように、教会がユダヤ地方に、ガリラヤ地方に、サマリア地方に築き上げられていったのです。ペテロはピリポが伝道した所を再び訪れ、フォローアップをしていたのかもしれません。

2.使徒たちはどのように福音を示していったのか?

それではペテロを代表とする使徒たちはどのように福音を語り、福音を人々に示して行ったのでしょうか?

32節にあります「あらゆるところを巡回していた」ということばから分かりますように、使徒たちは選り好みをせずに「あらゆるところ」に行ってそこにいるあらゆる人々に福音を伝えたのです。日本ではともすると中流の日本人の間に福音が主に伝えられてきていて、上流の人々の間には余り福音が伝えられてないようです。また、社会の底辺にいる人々、貧しい人々にも伝えられていないのではないでしょうか。地域的にも福音は都市中心に伝えられています。人里離れた村々には今でも教会がなく、福音は伝えられていません。今、北海道の北部の名寄で開拓伝道が行われています。JECA名寄グレース教会です。私のかつての日曜学校の生徒だった人は、現在オホーツク海沿岸の紋別の近くの西興部に住んでいます。西興部から2時間ぐらい南に行った所が今回のオリンピックのカーリングで銀メダルを取ったロコソラーレの本拠地、北見市常呂町です。常呂町には教会がありますが、西興部周辺には教会はありませんから、彼らは毎日曜日2時間以上ドライブして名寄グレース教会まで通っています。

ペテロ、使徒たちは、エルサレムにとどまらず、出て行って福音を宣べ伝えたのです。私たちも「あらゆるところ」で「あらゆる人たち」に福音を証しして行こうではないですか。ペテロは伝道しただけではなく、クリスチャンたちを訪問して教え、励ましました。「彼はリダに住む聖徒たちのところ」(32)にも行ったのです。リダは新改訳聖書2017版を持っている方は巻末の地図12ページを開いて下さると分かりますように、地中海沿岸の都市ヤッファの東、エルサレムの間にある町です。リダにはアイネアという男の人がいました。彼は中風という病で8年間寝たきりの生活をしていました。ペテロはその人に出会って、34節にありますように「アイネア、イエス・キリストがあなたを癒してくださいます。立ち上がりなさい。そして自分で床を整えなさい。」と言いました。すると、彼はただちに立ち上がった、のです。これを見た人々、このことを聞いた人々、「みな」と言われるほど大勢の人々が、主なる神様を信じたのです。

3.なぜ奇蹟(使徒のしるし)を行ったか?

ペテロはなぜこのような奇蹟を行ったのでしょうか?いや、神様はなぜペテロを通してこのような奇蹟をおこなったのでしょうか?

①使徒たちが神様の権威と力を持っている人であることを示すため

コリント人への手紙第二12:12を開いてみてください。パウロは、

私は忍耐を尽くして、あなたがたの間で使徒としてのしるしを明らかにしました。しるしと不思議と力あるわざです。

と書いていますように、ペテロを初め、使徒たちは、人々に「使徒のしるし」を示して、ペテロを初め、使徒たちが神様の権威と力を持っている人であることを示したのです。現在は、使徒はいませんし、いる必要がありません。なぜなら聖書のみことばが66巻完成していて、神様のみこころがはっきりと啓示されていますからこのような奇蹟を起こす必要もありません。

②奇蹟(使徒のしるし)は人間の力ではなく、イエスキリストの働き

ペテロはこの後ヤッファでタビタという女の人を死の眠りから生き返らせる奇蹟を行いました。この二つの奇蹟を通してペテロは「使徒のしるし」を人々に明らかにしました。

「使徒のしるし」は、人間の力ではなく、イエス・キリストの働きであることを人々に示したのです。これらの奇蹟は、イエス様がかつて行った奇跡と同じ奇蹟であることを思い出させました。少し長くなりますが、マルコの福音書2:1~12を開いて下さい。

「数日たって、イエスが再びカペナウムに来られると、家におられることが知れ渡った。それで多くの人が集まったため、戸口のところまで隙間がないほどになった。イエスは、この人たちにみことばを話しておられた。すると一人の中風の人を、みもとに連れて来た。彼は四人の人に担がれていた。彼らは群衆のためにイエスに近づくができなかったので、イエスのおられるあたりの屋根をはがし、穴をあけて、中風の人が寝ている寝床をつり降ろした。イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に「子よ、あなたの罪は赦された」と言われた。ところが律法学者の何人かがそこに座っていて、心の中であれこれと考えた。「この人は、なぜこのようなことを言うのか。神を冒涜している。神お一人の他に、だれが罪を赦すことができるだろうか。」彼らが心のうちでこのようにあれこれと考えているのを、イエスはすぐにご自分の霊で見抜いて言われた。「なぜ、あなたがたは心の中でそんなことを考えているのか。中風の人に「あなたの罪は赦された」と言うのと、「起きて寝床をたたんで歩け」と言うのと、どちらが易しいか。しかし、人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることをあなたがたが知るために。」そう言って、中風の人に言われた。「あなたに言う。起きなさい。寝床を担いで、家に帰りなさい。」すると彼は立ち上がり、すぐに寝床を担ぎ、皆の前を出て行った。それで皆は驚き、「こんなことは、いまだかつて見たことがない」と言って神をあがめた。

ですからアイネアに起こった奇蹟を見た人たちは、かつてカペナウムでイエス様が行われた奇蹟を思い出しました。使徒ペテロを通してイエス様が働かれていることが分かったのです。また、36節以降に記されているタビタの奇蹟は、マルコの福音書5:35~43に記されている会堂司ヤイロの娘さんのいのちを生き返らせた奇蹟を思い出させます。マルコ5:39から読みます。

「中に入って、彼らにこう言われた。「どうして取り乱したり、泣いたりしているのですか。その子は死んだのではありません。眠っているのです。」人々はイエスをあざ笑った。しかしイエスは皆を外に出し、子供の父と母と、ご自分の供の者たちだけを連れて、その子のいる所に入って行かれた。子どもの手を取って言われた。「タリタ、クム」訳すと「少女よ、あなたに言う、起きなさい」と言う意味である。すると少女はすぐに起き上がり、歩き始めた。」

使徒の働き9章のタビタと言う女の人は、ギリシャ語で言うとドルカス、カモシカと言う名前で、とてもよい人でした。36節によると、「彼女は多くの良いわざと施しをしていた」とあります。良いわざを行って人々を助けていただけではなく、「施し」をしていたと言うのですから、貧しい人々にお金を出し、助けていたようです。また、39節を見ると、「ドレス・メイキング」の賜物があった人のようです。上着や下着を作って人々にあげたり売ったりしていたのでしょう。このような良い人が死んでしまったのです。なぜ神様はこのような良い人のいのちを奪ってしまったのか、と人々は悲しんでいたのではないか、と想像します。ペテロが着いてみると皆は泣いていましたので彼らを外に出し、ペテロは静かにひざまずいて祈りました。そして言いました。「タビタ、起きなさい」と。するとタビタは目を開け、起き上ったのです。「タビタ、起きなさい」と言うことばをペテロはアラム語で喋ったと考えられますから、マルコの福音書のようにアラム語で言うと「タビタ、クム」となります。マルコの福音書で、イエス様は少女に「タリタ、クム」と言って少女を生き返らせました。このようにペテロの行った奇蹟は、人々にイエス様の奇蹟、御業を思い出させたのです。使徒たちはイエス様の権威を持ってイエス様の御業を行っていることが示されたのです。

そうです。「使徒のしるし」とはイエス様の力によってなされた御業なのです。ペテロは自分の力では中風を癒すことが出来ないことを知っていました。癒すのはイエス様です。ですから「アイネア、イエス・キリストがあなたを癒してくださいます。」と言いました。タビタを癒す前にペテロは何をしたでしょうか?ペテロは「ひざまずいて祈った」のです。この時はペテロの周りには誰もいませんで、見ていませんでしたから、私の力で癒した、と言うこともできたでしょう。しかし、ペテロは証しします。私はタビタの前でひざまずいて神様に祈ったのです、と。ペテロの力ではないのです。神様、イエス様の力によって癒されたのです。

③奇蹟(使徒のしるし)は、イエス・キリストによる「救いのしるし」

ペテロはアイネアにも、タビタにも同じことばを掛けました。アイネアには34節にあるように「立ち上がりなさい」と言いました。タビタにも40節で「起きなさい」と言ったのです。この二つのことばは日本語では違ったことばに訳されていますが、原語では同じことばです。このことばは、「よみがえり」と言うことばではなく、今までの古い人生、生活から新しい人生、生活になることを示すしるしであることを意味しています。つまり、この二人はこの奇蹟を通してイエス・キリストによって、新しい人生を歩み始めました。そして、アイネアに起こった神様の御業を見て多くの人がイエス様を信じ、タビタに起こった奇蹟を見て、42節にありますように、「多くの人々が主を信じた。」のです。

4.結び

使徒たちはイエス様から特別の権威を受けて、キリストの証人となりました。イエス様の権威によって使徒たちは数々のしるしを成し、神様のご栄光を現わしたのです。このようにして教会は築き上げられ、聖霊の励ましによってクリスチャンたちはあらゆるところで、あらゆる人々に福音を大胆に証して行ったのです。私たちも聖書のみことばの約束に堅く立って、聖霊の助けを祈り求めつつ、立川市から始まってあらゆるところで主イエス・キリストの十字架とよみがえりの福音、救いの素晴らしさを宣べ伝えて行きましょう。お祈りしましょう。

使徒の働き9章32~43節

さて、ペテロがあらゆるところを巡回していたときのことであった。彼は、リダに住む聖徒たちのところにも下って行った。
そこで彼は、アイネアという名で、八年間床についている人に出会った。彼は中風であった。
ペテロは彼に言った。「アイネア、イエス・キリストがあなたを癒やしてくださいます。立ち上がりなさい。そして自分で床を整えなさい。」すると、彼はただちに立ち上がった。
リダとシャロンに住む人々はみなアイネアを見て、主に立ち返った。
 またヤッファに、その名をタビタ、ギリシア語に訳せばドルカスという女の弟子がいた。彼女は多くの良いわざと施しをしていた。
ところが、そのころ彼女は病気になって死んだ。人々は遺体を洗って、屋上の部屋に安置した。
リダはヤッファに近かったので、ペテロがそこにいると聞いた弟子たちは、人を二人、彼のところに遣わして、「私たちのところまで、すぐ来てください」と頼んだ。
そこで、ペテロは立って二人と一緒に出かけた。ペテロが到着すると、彼らはペテロを屋上の部屋に案内した。やもめたちはみな彼のところに来て、泣きながら、ドルカスが一緒にいたころ作ってくれた下着や上着の数々を見せるのであった。
ペテロは皆を外に出し、ひざまずいて祈った。そして、遺体の方を向いて、「タビタ、起きなさい」と言った。すると彼女は目を開け、ペテロを見て起き上がった。
そこで、ペテロは手を貸して彼女を立たせた。そして聖徒たちとやもめたちを呼んで、生きている彼女を見せた。
このことがヤッファ中に知れ渡り、多くの人々が主を信じた。
ペテロはかなりの期間、ヤッファで、シモンという皮なめし職人のところに滞在した。

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